カテゴリ:読書感想( 17 )


2014年 07月 11日

ぼくのどくしょにっき 2014-6

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本

過去ログ
ぼくのどくしょにっき 2014-5
ぼくのどくしょにっき 2014-4
ぼくのどくしょにっき 2014-3
ぼくのどくしょにっき 2014-2
ぼくのどくしょにっき 2014-1

59.6/12Self Reference ENGINE 1点

小説というより、時空間が崩壊した世界における、掌編集という感じ。短い、さほど意味のないエピソードが延々と羅列されている。

すべての話に意味はなく、つながりがあるようにも見えるが、非常に微妙なつながり。理系っぽい語り口の、シュールでナンセンスなエッセイがひたすら続く。22体のフロイトとか出てくるが、それが何か意味を持つこともなかった。だから何? というのが最初から最後まで続く。

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58.6/9愛と幻想のグリムガル 3点

薔薇のマリアで有名な十文字青の作品。ネトゲーの世界をリアルに生きる冒険者たちの話、という感じで、初期の薔薇のマリアに似ている。

なんとも評価が難しい作品。前半は1点だが、後半は4点な感じ。

前半は12人も登場人物が出てくるわ、テンション高いだけで勝手に盛り上がっている会話はぽかーんだわ、読んでいて苦痛なレベル。しかし、壁に突き当たった主人公が目標を設定し、動き出す後半からはかなり熱い。弱さを受け入れ、それでも仲間のために壁を越えようとする主人公の気高さを歌い上げる十文字青節は健在。

エピローグに当たる部分が「プロローグ」とあるとおり、一巻まるまるプロローグのイメージ。評価は次の巻次第か。



57.6/7ガンダムUC エピソード7 虹の彼方へ<映画> 2点

個人的には不完全燃焼。もう少し派手なバトルが見たかった。⇛詳細はこちら。

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56.6/5ロードス島戦記2 炎の魔神  5点

すっごく面白かった。500年に渡る風と炎の部族の争いの因縁の根深さ、ってのをベースに話が進むので、話に深さがある。また相手のことを思いやるパーンとディードリットの関係も自然に描かれていて、読んでいて楽しませてくれる。

パーンは魔女カーラに至るため、全ロードスを平和に導こうと決意し、さらに、ディードリットは風の魔神を従え、さらなる高見へと上る。この辺りの「昇格」がうまく描かれていて、非常に心地よい。最終決戦で敵が召喚した炎の魔神を、風の魔神で押さえこむシーンは圧巻。

学生時代に読んだ頃は、魔女カーラとアシュラム編の谷間の物語で、あまり印象がなかったが、今、読んでみると面白かった。年をとると読書の趣味も変わるのだろうか。

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55.6/1支配せよ、と世界樹は言った 1点

全世界一斉の電子商取引移行かーらーのー株式投資戦争かーらーのー。。。な悪巧みを描いた作品。

25%くらい、ひたすら悪巧みが進行中ですよ、というのを延々と書いているのだが、まったく緊迫感もなければ、ミステリ的なひっかけもないので、とにかくダルい。登場人物も多すぎて覚えるのが大変。

いろいろと頭脳戦っぽいことをしたり、罠にハメたりしているのだが、うまく相手をひっかけた、というより、ご都合主義にしか見えなかった。

途中で出てくる、狩りが趣味の引退した金融王と、彼の養女で元ストリートチルドレンの口が悪い超天才女社長のコンビは面白いが、そこに良さを見出すのなら、ラノベでも読んでいたほうが吉。

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by netnetnet_78 | 2014-07-11 10:30 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 05月 23日

ぼくのどくしょにっき 2014-5

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本

過去ログ
ぼくのどくしょにっき 2014-4
ぼくのどくしょにっき 2014-3
ぼくのどくしょにっき 2014-2
ぼくのどくしょにっき 2014-1

54.5/23GOSICK1 2点

ひたすら「ビクトリカちゃん、はぁはぁ」する作品。一応ミステリ小説に分類されるが、正直ミステリ小説と呼ぶには底が浅く、厳しい。ビクトリカちゃんにひたすら萌えるだけの作品。

桜庭一樹の作品だが、彼女らしい刺さる文章は特になく、完全に普通のラノベ。超美麗イラスト効果で人気があったのだろうと思うのだが、新装版からは作者の桜庭一樹が直木賞をとったため、イラストが除外されてしまった。とっちゃダメなのでは。。。?

桜庭一樹初の、恐らくは唯一の? シリーズ刊行もの。あとがきで新装版についてのコメントがあるが、思い入れのある作品というのが伝わってきて、なかなか良い。

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53.5/23ネイチャー<映画> 2点

大自然に生きる動物たちの姿を撮影した映画。

基本的には「厳しい自然環境の紹介>動物の食うか食われるか>箸休めに動物の子どもたちの姿」というパターンを延々とループしている感じ。別に起承転結があるわけでもないので、特に盛り上がりはない。たまに、どうやってこれ撮影したの、というシーンがあるくらい。

子供の頃、親が動物番組が好きで良く一緒に見ていた。よって、わりと多くのシーンに既視感があり、あまり新鮮味がなかった。この動物知ってるわー的な。日本の動物番組もなかなかすごいんじゃないでしょうか。



52.5/19はたらく魔王さま! 3点

異世界からやってきた魔王が、わりとリアルな手続きを経て住居と仕事を獲得していくさまは、これ系の話としては珍しく興味深い。だいたい、権力者のパワーで無理やり戸籍を作るとかなので。とはいえ、前半パートはあまり物語が動かないので微妙。面白くなるのは、半分超えてから。

魔王が魔力を取り戻すトリガーが「物語的にピンチな状態」にリンクしている点と、覚醒後の無双でカタルシスを作っているのがうまい仕組み。ピンチをチャンスにできるってのは、いい設定かと。

まだ魔王や勇者がバイトをしているという話がテーマ的にさほど意味を持っていない感じがするので(ぶっちゃけ、今回の話だけなら働いてなくてもいい)、今後に期待。

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51.5/16バカとテストと召喚獣7 2点

今までずっと抱腹絶倒だったバカテス。すごく久々だったので期待していたんですけど、あ、あれ? これは微妙な。。。?

今回は野球で戦うのだが、1球1球くらいのノリで描いているため、試合展開に抑揚がなく、すごくテンポが悪い。そのためかギャグの密度が薄くなっていて微妙だった。ネタ自体も、ムッツリーニのエロ無双、姫路さんの毒弁当など、いつものネタのストレートな焼き直しばかりで、二番煎じ感が拭えず、爆発力が足りない。

坂本の作戦もどうかなあ。。。坂本は今回、最終回直前まで戦意喪失状態で、復活してから必死に作戦を考えたりするのだけど、最後に発動した作戦は「試合前から準備していた」ってのはどうなんだ。

何だか、笑いも寂しく、終盤の燃えもないバカテスは、評価が厳しくなる。

3点でも良かったのだけど、ドクロちゃんやハーモニーと一緒ってのはなあ、と。あっちは3点でも上だけど、こっちは3点でも下っていうか。なので、差異をつけるため、2点。

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50.5/15デート・ア・ライブ 3点

十香デッドエンドというサブタイトルから察せられる通り、化物語風の漫才を織り込んだテンプレラノベ。

実に量産型の作品で、特筆するアイディアはないが、各テンプレ芸はそれなりにコピーできており、ある程度の(お約束的な)面白さは担保されている。これに綺麗なジャケ絵がついていれば、売れるよね。

あと、Amazonでも書かれているが、シリアスの中にいきなりギャグが入ってくるのは読んでいて微妙だった。

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49.5/12ノーゲーム・ノーライフ 5点

ああ、なんというか。。。始めて「く、悔しい、でも感じちゃう……」みたいな本に出会った。すごく5点を付けたくないのだが、つけざるをえない、というか。

なんつーか、もう色々とダメなんですね。まず、文体。妙なところで改行を打ってくる、体言止めを使いまくるので読みにくいことこの上ない。さらに。。。

>もみゅもみゅもみゅ。もみもみもみもみ。
>もみゅもみゅもみゅ。もみもみもみもみ。
>たゆんたゆん。たぷたぷたぷたぷ。
>たゆんたゆん。たぷたぷたぷたぷ。
>むにょむにょ。ぽよっぽよっ。ぐにーにょーん。

これは、主人公が女キャラの乳を揉むシーンである。ラノベも色々と呼んでいますが、こんな直球で低俗な擬音を炸裂させる作品、すごく久しぶりにみた気がします。視点もブレまくりで小説としては問題ありまくり。

他にも、タイトル通り、これはゲーム勝負ものなので、ゲームで勝負するわけですけど、そのゲームもなんつーか、すごくご都合主義なんですよね。戦略ゲームとしては底が浅いっていうか。あと、色々と出てくるゲーム知識も、この歳になったら「それ知ってるわー、それ知ってるわー」レベルな感じ。

敵も甘々ちゃんで、主人公が「俺たち二人一組だから、途中でチェンジしてもいいよね?」みたいな条件をあっさり呑んじゃうし。

文章も荒いし、シナリオもひどいし、登場人物は下品だし。。。しかし、5点。

それはこの小説の勢いの凄まじさにある。

なんちゅーか、ひたすら文章にハッタリが聞いていて、読んでいてカッコいんですよね。『 』に敗北は許されない、みたいなフレーズが実に良い所でドカーン! って決まりまくる。また、主人公の大言壮語も、ゲームに対する絶対の自信が背景にあって、カッコいいんですよね。

このあたり、文章のハッタリで読ませる手法は、ザレゴトを書いていたくらいの西尾維新に通じる気がしますね。あの芸を、さらに先鋭化した感じ。たぶん、ザレゴト時代の西尾が好きな人にはあうでしょう。妹も「うにー」を彷彿とさせるしね。

なんつーか、色々とヒドいんですが、シビれるシーンが多く、ついつい、こちらも熱くなってしまう。だから、「く、悔しい、でも感じちゃう……」みたいな気分。

すごく底の浅いカイジを、初期の西尾維新の文体のハッタリ部分を拡大して書いた感じ。かなり早い段階でアニメ化が決まったそうですが、なるほど、これは確かに中高生に刺さるだろうな、と。

個人的には、先入観なく楽しめる中高生のときに読みたかった作品ですね。今だと、どうしても文章やシナリオの酷さが目について、素直に面白いと思えないわけです。

でもね、文章の勢いに乗せられている自分が、実に悔しい。。。なので、5点はつけておきながら、すぐに次巻が読みたいとは思わない、実に不思議な作品。

激しく人を選ぶので、5点はつけましたが、別に勧めません。ザレゴト好きならあうかもね。



48.5/10撲殺天使ドクロちゃん 3点

まさに、これぞライトノベル、というくらい、恐ろしく軽い。読みやすい文体で、ひたすら軽妙なボケが描かれ続けていて、そのブレない様は素晴らしい。たまにすごく笑える。

まさにスナック菓子感覚で読めて、ポテチをつまみつづけていたら、あっという間に袋を開けちゃったという勢いで読み終わる。ぼうっと気晴らしに読む本として良い。またセールスになったら続きを買おうかな。

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47.5/9ハーモニー 3点

>「向こうって、どんな場所だったの?」
>「こことは真逆な場所。向こう側にいたら、銃で殺される。こちら側にいたら、優しさに殺される。どっちもどっち。ひどい話だよね」

前半はほんとうに素晴らしい。医療用チップによって病気から解放され、完璧な健康の維持を「強制」される、異常な優しさが充満する世界観に圧倒される。それを、夭折した天才少女との思い出話を交えながら、辛辣に皮肉る主人公の語りも魅力的。

この女主人公が実に良い。「昔は隠れて喫煙をするならトイレに行けばよかったが、今は戦場まで行かなけばならない」と言って、武装化したWHOの将校として戦場で不良な生活を送っている。まさにロック。

ただ、後半が。後半は、ひたすら主人公がキーマンに話を聞いて回り、キーマンが独特な理論を延々と語るというスタイルのため、説明過多すぎる。別につまらない、というわけでもないが、主人公の魅力的な独白も影を潜め、スピード感も下がるのが残念。

話の締め方次第では5点いくで! と思ったが、後半で少し下がって3点という感じ。ただ、作者がこれを遺作に若くして亡くなったのを割り引いても、界隈では有名なのがうなずけるほど強い個性がある作品。気になるなら読んで損はない。

>「映画とか、絵画とか。でも、持久力という点では本がいちばん頑丈よ」
>「持久力、って何の」
>「孤独の持久力」


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by netnetnet_78 | 2014-05-23 21:47 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 04月 29日

ぼくのどくしょにっき 2014-4

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本

過去ログ
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ぼくのどくしょにっき 2014-2
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46.5/4大局観 3点

将棋の羽生さんが書いた本。同じく羽生さんが書いた「決断力」が面白かったので、期待していたのだけど、こちらは普通。「決断力」は満ち溢れる将棋愛による勢いが凄かったが、こっちは将棋を交えつつ、わりと一般的な話題にも触れている。あと将棋に関する話題は決断力と結構かぶっている。

割と「日常生活で何気なく感じているけど、言語化できない」部分に触れているのはさすがの洞察力。とはいえ、個人的には「決断力」を読んでいたら充分かな。

>「コンピュータと対局したい気持ちはありますか?」
>と、私もよく聞かれる。
>もちろん、「やってみたい」という気持ちは大いにある。

次の電王戦は、羽生さんvs500台GPSで是非!

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45.5/1アメージング・スパイダーマン2<映画> 2点

冒頭、蜘蛛の糸を建物に巻きつけ、ひゅいんひゅいんと摩天楼を飛び回り、圧倒的な能力でザコを蹴散らす爽快感は最高。だが、そこがクライマックス。

スパイダーマンモードのときのやたらとテンション高い様子は面白いのだが、人間モードがやたらと鬱っていて落差がありすぎる。出てくる敵もシナリオも底の浅い連中ばかりで、よくわからない理由でキレて、ただドンパチしているだけの印象。

どうやら本家スパイダーマンの過去にあたるらしく、それを知って思い返すと、意識した演出が多かったように思う。だけど、観てないのよね。。。



44.4/29私の男 2点

桜庭一樹+直木賞とくれば、もう読むしかないと狙っていた本。読んだ感想としては、評価が難しい本だなと。他人には薦められない。

肉欲愛に溺れる親子の逃避行を描いただけあって、実にインモラル。そして、全体を漂う退廃的なムード。この小説を覆う、濃厚な負の空気を描き切った筆力はもはや神の領域。すごすぎて圧倒されるが、テイストについては意見が別れる。

作品に漂う退廃的な空気があまりにも濃厚すぎて一般的なラインを超えている。不愉快で気分が悪く、まるで毒ガスの部屋に入れられたような気分になる。くどくどと同じような文章を、しかし、少しずつ変えながら読ませてくる、その引き出しの多さは脱帽もの。

ラノベ書いていたときから、この人の文章はキレまくっていたけど、拘束具つけてたんだなあと。本気の桜庭一樹の文章はこれか。ただ、ちょっとキレすぎ。

文章の凄さを認めても2点をつけた理由は、作品の空気があまりにも人を選びすぎる点と、なぜ主人公の花が父のもとを離れたのか、わからないから。

時代を逆行する展開で、前の章の謎が次の章(過去)にうつると明かされる形式となっている。冒頭で花は父と別れるのだが、ページをめくっても過去に戻るだけなので、愛の確かさを再確認するだけになり、むしろ謎が深まっていくだけで、その理由は明かされない。

そこは読者に想像におまかせ、ということなのだろうが、いくらなんでも丸投げすぎる。

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43.4/24ミステリーのおきて102条 2点

タイトルを見て、てっきりミステリー作家のノウハウみたいなのが書いているのか、と思っていたら、全く関係ない内容で腰が砕けた。実際は「わたしとミステリー小説」という内容の本で、筆者の記憶に残っているミステリー小説を紹介するエッセイ集である。これで「ミステリーのおきて」はあまりにもタイトル詐欺すぎる。

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42.4/20ぼくらの七日間戦争 2点

映画にもなった超有名作品。子どもたちが倒産した会社のビル『解放区』に立てこもり、子どもたちにいい子になれと言っておきながら、自分たちは欲望のままに生きている大人たちを翻弄する作品。

基本的なコンセプトは良いのだが、やはり30年以上! 昔だけあって古臭さがいなめない。話し的にも児童文学のテイストからくる『浅さ』は好みがわかれる。個人的には、小中学生のときに読んでおきたかった作品だが、内容的にはお父さんお母さんが子供に読ませるにはちょっと問題があるかもしれないw

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41.4/14監督不行届<マンガ> 4点

安野モヨコとエヴァの庵野監督のヲタ結婚生活を描いたエッセイ漫画。アニメ化のせいかKindleだと200円で投げ売りされていた。これがkindleの力です。

安野モヨコって、働きマンとか女子力の高いイケイケ女ばかり書いているひとなので、てっきり、そういう人かと思っていたのですが、ヲタ女だったんですね。びっくり。そして、そのヲタ力をもってしても理解が難しい、オタク・ゴッドの庵野監督の暴走っぷり。

ヲタ夫婦のバカっぽい日常を軽妙に描いていて安定して笑える。

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安野 モヨコ
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アニメ版で庵野監督の声をしている山寺宏一の演技力にびっくり。確かジブリの風たちぬの主役の声って庵野監督なんですが、まったく一緒の声だったw

40.4/13推定少女 3点

>どうやら、がんばらずに生きていくなんてのは無理らしいと、
>硝煙の立ち上る戦場じみた教室から感じ始めたころ、
>唐突にぼくは、その日常からはみだしてしまった。

さすが桜庭一樹、受験に臨む思春期の子供が生きる日常を「戦場」と形容する語り口はいい。

>毎日どこかで、僕たちは大人にころされている。心とか。可能性とか。夢見る未来とかを。
>足蹴にされて踏みつけられて、それでもまた朝になったら学校に行かないといけない。

いつも通り、地方都市の少女たちが主役なのは同じだが、砂糖菓子の弾丸しか撃てないおもちゃの鉄砲ではなく、実弾が撃てるデザートイーグルを持っているのが今作の特徴。

宇宙人なのか金持ちの令嬢なのかそれ以外の何かなのか、正体不明の少女、白雪と主人公の少女の勢いだけの逃避行はむちゃくちゃで面白い。前半はすこぶる勢いがあるが、後半から段々と「超常現象」な展開になり、最後は色々なものがリセットされたご都合主義な終わり方をする。

なんだかなー。。。桜庭一樹の少女ものって、現実的な悲劇で終わるのがいいと思うんだけど。

ちなみに、エンディングは3つあって、編集者の意向によって書きなおしたかららしい。再出版にあたって全てが掲載されている。個人的には、しょっぱなにボツにされたエンディング1こそが、この作品のテーマ性にぴったりと合っているかな。編集と作家のやりとりが垣間見えて面白い資料。

>「白雪っ……ぼくは大人になんかなりたくないよ。絶対になりたくないよ。
>ぼくは自分を知っている。十五歳にもなれば自分のことがわかるよ。
>ぼくは自分に絶望している。ぼくにはわかる。ぼくは……
>ぼくはきっとつまらないおとなにしかなれないよ!」

桜庭一樹は本当に、感傷的な文章を書かせるとうまいね。15歳の頃の自分を、忘れてはいけない。


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39.4/10陽だまりの彼女 3点

この小説は恋愛小説である。

前半はだだ甘な恋愛模様が展開されるのだが、人生ハードモードの人間からすると「クソこのリア充どもめ爆死しろよお前らが幸せでも俺は嬉しくもなんともないんだよつーか人が見てる前でいちゃつくのやめろよ幸せオーラ充満させてんじゃねーよ窒息死しちまえ」と歪んだ感想が脳内をうめつくすため、純粋に楽しめない。ただ、文章は非常に読みやすいし、丁寧に話を描いているので、邪念を捨てた目で見ると、普通の人なら4点くらいは楽しめるんじゃないかと。

お約束通り後半以降だんだんと彼女が変調をきたすのだが、彼女の一時的な異変を提示した後、登場人物が軽いと流す小さな変調の兆しや不安を積み重ねて、話の勢いをキープする手法はなかなかだな、と感心した。

最後のオチは賛否両論のようだが、きっちりと伏線を張っているので反則ではない。ただ、きっちりと張っていてくれたからこそ、予測できたけど。

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38.4/7リベンジマッチ<映画> 3点

30年前にボクシングのチャンピオンを争った二人のおっさんが、最後の決着を着けるために再びリングに上がる話。

老いぼれ二人の無茶苦茶な挑戦に周囲は失笑気味。見世物扱いを受ける序盤は微妙だが、中盤からぐんぐんと注目を集め、最後はドリームマッチのような扱いになるのは見ていて心地よい。最後の戦いも、なんだかんだで熱い。「女のために戦うのか?」「俺とお前のために戦うんだ」というやりとりとかカッコいい。

あまり期待していなかったが、意外と楽しめた。展開の弱い前半がもう少し引き締まっていれば、4点くらいはあったかな。


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by netnetnet_78 | 2014-04-29 18:27 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 04月 02日

ぼくのどくしょにっき 2014-3

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本

過去ログ
ぼくのどくしょにっき 2014-2
ぼくのどくしょにっき 2014-1

37.4/7玩具修理者 3点

ネフェルピトーのスタンド能力の元ネタである短編「玩具修理者」と中編「酔歩する男」を収録した小説。二作とも、ほぼ全編が会話によって構成されている。なんというか、読後感がドグラ・マグラに似ていて、違和感が残る。もちろん、ホラー小説なので、褒め言葉。

ただ、短編小説のお作法であるハッとした締めこそあるが、全体の話としては山なしオチなし意味なしのような内容なので、異常な雰囲気を堪能する感じの作品。

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36.4/5夢をかなえるゾウ 3点

とボケた関西弁の神さまガネーシャが『決して何者にもなれない』が何かになりたい主人公を漫才しながら導く物語。ガネーシャのうざい系キャラが実によく、ガネーシャと主人公の軽妙な漫才はなかなか面白い。

成功するにはどうしたらいいか、という自己啓発書であるが、書いている内容自体はそこまで斬新でもない。基本的には『普通の日々から意識を変えていけ。そして、夢に対して行動を伴え』という感じであろうか。

女子ドラ同様、自己啓発本+漫才トーク小説という組み合わせの妙を見つけた作者の慧眼が大ヒットにつながったのかな、という印象。

夢をかなえるゾウ 文庫版
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35.4/3金融腐蝕列島 2点

金融業界を扱った小説。「不正融資事件、総会屋対策、住専問題、不正融資事件再び」という4パートにわかれている。1,4パート目は意外と面白く4点くらいあるが、最も長い中盤、特に住専は複雑な金融用語が飛び交い、読んでいてかったるい。

仲良くなった総会屋のおっさんが、ハルヒの長門くらいの万能能力者で、何でもコネで解決してしまい、存在が便利すぎる。作中、ずっと主人公を困らせる、わがままな会長と腰巾着が最後のほうでやりこめられるのは、なかなかカタルシスがある。

住専や連立内閣など時事ネタを織り込んでいるが、小説自体が古く、もう15年くらい前のもの。あったわーみたいな。当時に読んでいたら住専周りや政治も面白く読めただろうが、さすがに覚えてない。今の時代に読む小説ではないかな。

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33.4/1アナと雪の女王<映画> 5点

やばい面白さ。全てが完璧で、最初から最後まで胸をワクワクとさせてくれる。時間が立つのがあっという間で、本当に幸福な時間だった。

「真実の愛が氷の呪いを解く」という、ディズニーによくありそうな設定も、最後はうまくひねっていて「そうきたか!」と感心した。劇中歌も非常によく、聞いているだけで登場人物と同じ心の高揚を味わえる。

あと、セリフの英語は非常にわかりやすく、これは字幕なしでもわかったかな、という感じ。英語の初学者にもオススメ。BD買っちゃいそう。ただただ、素晴らしいに尽きる。観るべし!

アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック
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32.3/26超巨大密室殺人事件 4点

ネトゲーを舞台に、ネトゲ内のシリアルキラーを追い掛けるミステリ。出てくるプレイヤが廃人ぞろいで面白い。ネトゲのガジェットで犯人を追い詰めようとするのは目新しく疾走感もあるが、素材を活かしきれてなく、展開も荒いのが減点材料。ただ、ネトゲ世代なら楽しめるかと。感想はこちら

超巨大密室殺人事件 (角川ホラー文庫)
二宮 敦人
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31.3/24やんごとなき姫君たちのトイレ 2点

話題になった「本当は怖いグリム童話」の人の本。中世時代の王侯貴族のトイレ事情。。。をまとめているようなタイトルだが、実際は「当時の(主に下の)風俗」全般について書いている。

ルイ14世は健康のために歯を全て引っこ抜いた、とか、昔は足が女性の胸のような扱いで、お姫様を助けるために足に触った兵士が投獄された、とか、昔は一ヶ月に一回風呂にはいるときれい好き扱いだったとか、興味深い雑学が多い。だけど雑学は雑学で、情報がつらつらと続くだけなので、よほど興味がないと集中的に読むのはつらい。

やんごとなき姫君たちのトイレ (角川文庫)
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30.3/23グランドピアノ  狙われた黒鍵<映画> 3点

「一音でも引き間違えれば殺す。言うことを聞かなければ観覧席の妻を殺す」という脅しの入った状態で、天才ピアニストが超絶技巧の楽譜に挑む作品。

非常に面白い設定で、これどうやって終わらせるんだろう、と思っていたら、最後は普通に戦って終わりという、なんというか、後半がしりすぼみな作品。まさに前半がクライマックス。もっとサスペンステイストを期待していたのだが。

見どころは、全編に流れている音楽が凄くいいのと、女の首を割れたガラスでかっきる瞬間、弦楽器を弓で弾くシーンに切り替わるのはより痛さが伝わってきて、なかなかの演出だった。

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あまの
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29.3/17氷菓 2点

アニメになった作品だが。。。微妙。同じ原作者のインシテミルがヒットしたからのアニメ化か? 特に面白い会話をするわけでもなく、驚くような展開もなく、地味。主人公の推理もこじつけっぽく説得力に欠ける。「氷菓」という言葉の真意やカンヤ祭の謎などはそこそこ、一瞬だけ盛り上がる。化物語から漫才パートを取ったかのような感じの作品。

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28.3/16ろくでなしBLUES 全巻<マンガ> 4点

スマホで全巻無料だったので、一気に読破。リアルタイム時は不良漫画が好きじゃなかったので読んでいなかったが、読んでみると安定して面白かった。最初はギャグテイストだが、四天王あたりからバトル重視になっていく。絵が丁寧でいいな、と。昔のジャンプはこういう実写な絵が多かったなーとなにげなく思い出す。時代か。。。



27.3/12新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女 4点

>今、ロードスに正義はない。悪さえ存在しない。
>永遠の均衡を保つ灰色の呪縛に覆い尽くされている。

久しぶりに読んだが、やはり面白いですね。改定前との違いはわかりませんが、結末を知っている人間からすると、細やかな表記に意味が見出せて面白いです。

原作では、運動不足の書籍オタクという非モテ力全開にも関わらず、美貌で年下の神官を射止めるという大犯罪大金星を挙げるスレイン君。作者推しなのか、とずっと疑っていましたが、主人公のパーンより主観視点が多いので、間違いないようです。

ディードリットのパーンへのスキンシップもすごいですね。なんか章を進む度に、激しく触れていきます。え、いつフラグ立ったの? と驚くくらいで、萌えラノベもかくや、という好感度の急上昇がかいま見えます。エルフって情熱的でしたっけ?

ストーリー的には中盤が特に面白いですかね。パーンが父親の死の真相を知り、そして、王から力を認められるあたりは胸が高鳴ります。もちろん、絶大な力を誇る灰色の魔女カーラの存在もいいアクセント。いや、おめー勝てねーから! パーン無理すんな! みたいな。

あと、ソード・ワールドRPGを知っていると、何の魔法を使ったかわかりますし、ああ、今、エトは精神抵抗で6ゾロ出しやがった、とかわかって面白いです。逆に、なんで、マーファの神官がショートソード使えるんだよ、メイスだけだろ、とかツッコみも入れたくなりますが。

せっかくなので、作中で多少なりとも言及されているカシュー王の過去について書いておきましょう。彼は元々アレクラスト大陸の大都市でショーとして戦う奴隷剣士をしていて、その後、冒険者になり、そのときに稼いだ金を元にロードスで建国した、という過去があります。一騎打ちのシーンで、お前の剣は見世物か、とベルドに言われたのはそのためですね。

彼の過去は、アイテムコレクションという本に書かれていますが、もう絶版でしょうね。。。良本なのでKindleで出て欲しいです。

面白かったので、またkindleの安売りがあったら、アシュラム編くらいまでは揃えたいですね。

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by netnetnet_78 | 2014-04-02 23:58 | 読書感想 | Comments(2)
2014年 03月 26日

超巨大密室殺人事件 4/5点

特殊な設定ではない、普通のネトゲーを舞台としたミステリ小説。ミステリにしてはガジェットが珍しいためか、なかなか面白い。超巨大密室とはサーバー空間を指しているが、特に密室ものではない。

出てくる連中が廃人すぎてヤバい。大人気SAOでは「死んでも死なないゲームなんて楽勝」だと言っているが、本作のガチ廃人あたりだと「命を賭けさせられてゲームをするなんてぬるい。ゲームに人生を賭けるなんて当たり前だろ? ていうかゲームこそがリアルじゃん?」みたいな感じ。頭おかしい。

ゲームのやり過ぎを心配すると。。。

>「少しは気分転換に外に出たら?」
>「何を言ってるんだ、君は? 君は人生が嫌になったからと言って、生きるのをやめられるのか?」

である。「ゲームを休む=生きるのをやめる」。コレこそが彼らの絶対哲学。

>「慎重だな。こっちの世界のことなんか、どうでもいいのに」
>「だからこそですよ。ゲームの世界で逮捕されるならまだしも、こっちで逮捕されるなんてバカバカしいじゃないですか」

プライドの角度と高さが常人の理解をはるかに超えております。

ネトゲー内のシリアルキラーを追い掛ける話で、追い詰め方のアイディアがアイテムの買い占めやRMTを使っており、ネトゲらしくて面白い。リアルで30億持っているプレイヤやサーバー最強のギルド長などが出てくるため、スケールがいちいちデカく、初期のデスノートのような疾走感すら感じさせる。

ただ、面白い仕掛けは用意しているのに、素材を活かしきれていない感じがするのと、強引な展開が多いのも気になる。それが4点で止まった理由。ミステリとしては荒いが、ネトゲ世代なら楽しめるかと。


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by netnetnet_78 | 2014-03-26 23:47 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 03月 08日

ぼくのどくしょにっき 2014-2

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本、評価しにくい本

過去ログ
ぼくのどくしょにっき 2014-1

26.3/7球体の蛇 3点

中盤のひねり具合と最後の落とし方はさすが小説界の軽業師、道尾秀介。4点くらいの価値はあるのだけど、いかんせん全体的なストーリーへの勢いは、主人公の好感度が微妙なのも含めて3点くらい。よって、3.5点というのが実情。

思わぬ人間関係をふっと出したり、事件の真犯人をすり替えたりして、一瞬で物語の解釈を切り替える技量は本当にすごい。ミステリ好きなら道尾秀介ははずせないでFA。

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25.3/2一八八八切り裂きジャック 1点

800ページ近いゴミを読まされた気分。Amazonで評価が高かったので期待したのだけど。

切り裂きジャック事件を扱っているが、6割まで延々と主人公の留学生活を読ませられ、そこから切り裂きジャック事件が本格化してくるが、ずっと事件が連続して起こるだけで単調。ようやくミステリ小説らしくなってくるのが8割経過後。そこからも、たいして切れ味するどい展開もなく、ただただ純粋に「つまらない」。

しゃらくさいミスリードも用意されているが、あんなの引っかかるはずがない。むしろ信じている主人公の白痴っぷりが強調されるだけ。怪しげな登場人物もやたらと出てくるが、大量に出てきすぎていて、焦点を絞り切れないので、どうでも良くなってくる。

あまりにも退屈で、早く読み終わって次の本にいきたくて仕方がなかった。面白い小説とは全く逆のベクトルでページを捲る手が止まらなかった作品。

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24.3/1劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-<映画> 4点

飛び降りたオカマが、オカマボイスで「あたしはあたしらしくでいいのよぉぉぉぉ!」と劇場に響き渡る大声で叫んだときはどうなるかと思ったが、アクション映画として派手だし、各ヒーローたちの見せ場もバランスよく織り込んでいて(牛さん除く)、よく詰め込んだなと。ファンなら満足できるデキの面白さ。ぼくはどらごんきっどちゃんがかつやくしてくれたらそれでいいです。

代わりに、割りを食ったのは敵のボス。影の薄さが否めない。しかも、復讐相手を殺す殺す!ってあれだけ叫んでいたのに、何年も前から&劇中でいくらでも殺せるチャンスなんてあっただろうに殺さないのが不自然。殺すって思ったときには、すでに殺しているものだろう?

ヒーローたちが魅力的、かつ、数が多いんで、それに対抗するキャラ作りって難しい。そういったのも含め、作品全体としては面白いが、他にも細かいところで脚本の瑕疵が気になったのは残念。2時間超の作品を20分ほど切ったらしいので、そのしわ寄せかな、と思われる。

興味深かったのは、映画館の客層。7割以上が女性。時間帯が早かったのもあったのか、40くらいのマダム層が多くて驚いた。タイバニにハマっている層ってその辺りなのか。

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23.2/23エージェント:ライアン<映画> 3点

とりあえず、あらすじが納得いかない。「スパイ経験ゼロのCIAエージェント」「CIAはウォール街で活躍する頭脳明晰の若き経済アナリストをスカウトし捜査を開始」なんてあるが、元からCIAの職員としてウォール街で監視していたわけだし、その前は米国海兵隊員のバリバリエリートである。ズブのシロウトを思わせる書き方はどうかな。

あと「巨大な謎を解析せよ」なんて書いているが、特に解析もしてない。テロの場所も、なんかヒロインが無数にある写真から「あなたの職場!」と指さして「ウォール街だ!」とかで特定するし、主人公はスーパー直感で怪しげな車を犯人と見抜いて追跡する。お前らエスパーか。

とは言いつつも、普通の諜報アクションものとしては可もなく不可もなく。某国に乗り込んで機密情報ゲット>差し迫ったテロを阻止、という王道展開。別に目新しいアイデアもなく、特筆するものはないが、それなりには楽しめる。




22.2/21式の前日<マンガ> ?点

短編マンガ集。表題作の「式の前日」がネットで話題になったので興味があった。確かに「式の前日」の完成度は素晴らしく、まさに鳥肌が立つレベル。「ああ、くそ、いい女だな、いい女だな! 幸せになれよ!」と言いたくなる。

「式の前日」と2本目の「あずさ2号で再会」は神レベルの作品で5点級の面白さだが、他の作品はそれなり。悪くはないが、切れ味が上記の2作に比べて足りず「ちょっと不思議なイイ話」の域を出なかったのは残念。

とはいえ、上記の2本だけでも元は取れる良本。こういう短編形式のマンガ本がもっと増えて欲しい。

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21.2/20少女七竈と七人の可愛そうな大人 3点

元ラノベ作家にして直木賞作家の桜庭一樹の作品。砂糖菓子/少女には似合わない職業と同じく、寂れた地方都市を舞台にした少女の物語。先の2作品とは異なり、ストーリー的にはこれといった起伏もなく淡々としているが、相変わらず文章がうますぎて、心臓に突き刺さってくる。冒頭からかっとんでいて、

>辻斬のように男遊びをしたいな、と思った。

である。なにを書いているんだw 現代社会を舞台にしながらも、ファンタジーあふれる文体で世界観を構築できる才能はマジで素晴らしい。この人だけは、本当に筆力というものを感じる。

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20.2/18決断力 5点

将棋会のスーパースター、羽生善治が書いた本。全く期待せずに読んだが、べらぼうに面白かった。羽生善治という人の横顔がよくわかる本。将棋に関する小話も非常に楽しめる。読むべし。詳細はこちら⇛決断力/羽生善治 非常に面白い

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19.2/16戦略拠点32098 楽園 3点
これといった派手なシーンもなく、機械と少女、そこにやってきた敵国の降下兵の3人の同居生活「だけ」で最初から最期まで読ませるのは、割りとすごい。場所と少女の正体くらいしか謎がないのに、よく間が持つものだ。ただ、やっぱり派手なシーンがないので淡々とした地味な感じは拭えない。

個人的に、墓所をモチーフとしたクローズドサークルの設定から、シュガーダークを思い出した。あっちはファンタジーでこっちはSF。で、どっちも角川スニーカー大賞からデビューしたんですね。。。あの文庫大賞は、こういうのが好みなのだろうか?

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18.2/13天地明察 5点
囲碁打ちにして数学者にして天文学者という多趣味な主人公が、ズレの発生した暦に変わる、新しい暦を打ち立てる物語。

>「安井算哲よ。天を相手に、真剣勝負を見せてもらう」

親から継いだ囲碁への飽きと、自らが見つけた学問への渇望を描く上巻は神クラスの面白さ。謙虚な性格ながら、胸の内に大望を宿す主人公の魅力は素晴らしく、彼の一喜一憂を共感できる。下巻の前半はイベントの羅列でやや飽きるが、後半から盛り返していき、一気に駆け抜ける。

同世代に生きた誰もが知る算術の天才、関高和の存在が大きい。ニアミスを繰り返しながらも、その圧倒的な才能で主人公をこてんぱんにし続ける彼。もう、いつお前ら会うんだよ! とやきもきしていたら。。。本当にいいタイミングで出てきますね。おまけにカッコよすぎます。

>「持っていけ。わしが持っていても何にもならん。頼めるのは、お主だけだ」

さすが、話題になっただけある面白い小説。おすすめです!

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。。。でもさー、800年で2日のズレの旧カレンダーって優秀じゃね? 20年かけて新しいカレンダー作るより、2日ズラして再設定したほうが早くn

16.2/6終戦のローレライ 5点

4分冊の長大作。最初は読んでいて辛いが、物語が動き出す2巻と100ページ目からは手が止まらない。セリフのひとつひとつが熱く、キャラクターがカッコよくて、最高に面白い小説。とにかくオススメ。詳細はこちら⇛終戦のローレライを読んだ。傑作だった。

終戦のローレライ(1) (講談社文庫)
福井 晴敏
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by netnetnet_78 | 2014-03-08 11:23 | 読書感想 | Comments(2)
2014年 02月 18日

決断力/羽生善治 非常に面白い

将棋会のスーパースター、羽生善治が書いた本。全く期待せずに読んだが、べらぼうに面白かった。羽生善治という人の横顔がよくわかる本。天才、という呼称のため、つかみどころのない人というイメージがあったが。。。

ああ、この人、本物の勝負師で、死ぬほど将棋が好きなのだなあ、と思わせる。HELLSINGの少佐並みにわたしは将棋が好きだ演説ができそうなくらいの愛。

そういうポジティブさ、熱さが文間から溢れてきて、非常に心地よい。

また、あちこちにちりばめられた将棋の小話もなかなか面白い。特に面白かったのはこれかな。

・将棋は1つの局面において、だいたい80の打ち手がある。
・その中でプロは直感を頼りに有望な3手まで絞り、検討する
・長考しているときは、4手5手目まで考慮し、悩んでいるとき
・プロですら、実戦では10手先までしか読めない

他にも「加藤一二三プロは30年間同じ形の将棋を指しているが、食事はいつも同じものを注文し、違う食事をすると将棋会館に衝撃が走る」のようなエピソードもなかなか面白い。他には「昔から師匠と弟子が将棋を指すのは入門の時と辞める時の二回という慣習がある」という話も、へえ、という感じで興味をそそる。

名前は知っているけど、そこにある伝統はほとんど誰もしらない将棋の世界がのぞける。こりゃ面白くないはずがない。

ちなみに、この本は10年近く前に書かれている本である。そして、コンピュータとの戦いについても言及していて、

「トッププロと互角に戦えるのは強気派で2010年、弱気派で2050年の予想」

とあり、どうやら現実は強気派に寄った展開となったようだ。

そして、こう書いている。
>私は、コンピュータが将棋の可能性を読み尽くして必勝法を発見したら、
>対戦してみたいと思っている。おそらく人間の強さとは異質なものだろう。

最強のクラスタ型GPS将棋に負けたプロ棋士が「負けた理由がわからない」と言ったのを彷彿とする、なかなか興味深い考察である。

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by netnetnet_78 | 2014-02-18 22:10 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 02月 12日

終戦のローレライを読んだ。傑作だった。

いやー、読みました、終戦のローレライ。10年前の本を今ごろかっつー感じですが、もうね、間違いなく、疑いようのない★5、満点の評価であります。

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福井 晴敏
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4巻分冊で分厚すぎるため、避けていたんですが、もう大後悔ですね。早く読むべきだった。

福井先生の小説って、恐ろしくスロースターターでして、序盤はもうかったるいの一言です。文章は重厚で、そこまで描写するかっていうくらい事細かく書いていてね。話にのめり込んでいないので、ただただ文圧の強さがきつい。

今回も最初の1巻は辛かった。本当に辛かった。ですが、巻き返すのが福井先生です。物語に入り込めば全てが許せます。2巻の100ページ目から、読むのが止まらなかったですね。

ローレライでも福井節は健在。ページをめくる度に胸を焦がし、喉の奥が痛みを覚えました。

>「《伊507》、ローレライ! 艇長で足りなきゃおれの命もくれてやる。絶対に勝ってみせろぉ!」

>「これより《伊507》は一個人の怨念が歪めた歴史を――日本国の未来を修正するために行動を起こします。ローレライは、あなたが望む終戦のためには歌わない」

いやー、熱いなあ、熱い。

実に幸せな読書体験でした。

反響音でしか策敵できないのが潜水艦の常識ですが、タイトルにあるローレライ・システムは最強の千里眼であり、敵の潜水艦はおろか、光の届かない海底すら『視る』ことができます。

圧倒的な情報量は戦線において圧倒的優位の確立を約束しますが、ローレライ・システムには致命的な欠点があり、敵を撃沈するとしばらく使えなくなるんですね。

兵器としては優しすぎる心を持つ、ローレライシステムの致命的な欠点。

その弱点をつくように敵が出てきて、そうそう楽に勝たせてくれず、ドキドキとワクワクを持ってページをめくれます。

もう最期の決戦とか、ほぼ一冊つかって書いているんですけど、米帝の大艦隊40+潜水艦5ですよ。自軍は潜水艦1機と17発の魚雷のみ。

無理すぎだろwww

でも、必死に戦うんですね。

途中でローレライシステムが覚醒したりするんですが、そんな展開でもご都合主義だなんて思いません。もう伊507を全力で応援してくれますからね。どんなチートを使ってでも、とにかく勝て! 勝つんだあああああああ!

と願いならページをめくります。ここまで読者をのせるあたり、さすがは福井晴敏だなあ、と。

福井先生は、出世ルートを外れた実戦経験豊富な中年オヤジと、天才的にキレる(けど、情緒的に不安定な)エリート兵士のコンビってのが多いです。今回は、それに「未熟な少年」ってのが加わっています。

この少年、征人くんがですね、ガンダムUCの、バナージに見えて仕方なかったです。

東京に核を落とし、国家的自決を断行する! なんて叫ぶ輩がいます。その迫力におとなたちはみんな呑まれてしまうのですが、主人公は叫ぶんですね。

>「でも、東京にいる人はみんな死ぬ」

この「でも」。聞こえちゃいましたね、マリーダさんの声が。

「それでもと言え、バナージ!」

それでもは、バナージの専売特許ですね。

読んでいると、他にもキャラの配役がガンダムUCとかぶるなあ、と思いました。順番的にはガンダムUCがローレライにかぶってるんですが。

個人的には、最期のエピローグに主人公の征人くんが出てこないのがちょっと残念でしたが、わりと好きでしたね。その後の50年間を早回しで書いていますが、英雄は英雄として生きたのではなく、ただただ平凡な人生を生きた、という感じが。

結局、この物語は、ひとりのかわいそうな少女に平凡な幸せを与えた話なのでしょうね。そういうのも、いいんじゃないでしょうかね。

とてもおもしろい作品なので、未読の方はぜひお読みください。

個人的には、アニメでみたいですね。絶対に面白いと思う。
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by netnetnet_78 | 2014-02-12 00:38 | 読書感想 | Comments(0)
2014年 02月 01日

ぼくのどくしょにっき 2014-1

今年は再び、活字の世界に舞い戻る!

というわけで、読んだ本とか映画を書き込んでいきます(現在進行系で更新)。点数は
5/絶対にオススメ!
4/わりとオススメ。そのジャンルが好きならば
3/そこそこ楽しめたけど、別に他人にはオススメしない
2/あんまり。。。
1/不愉快
?/面白さが評価軸ではない本

12.2/1 ウルフ・オブ・ウォールストリート<映画> 1点

セールストークの天才がウォール・ストリートで成り上がるストーリー、というか、成り上がった後のストーリー。下っ端時代の話は数分で終わる。後は、成金DQNがひたすらドラッグをキメてセックスしまくるシーンを延々と見せられる。徹頭徹尾、外道で下品。成功を延々と続けるだけなので、物語のメリハリも特に無い。一応、こういう物語のお約束として、最期は破滅するが、特にひねりもない。コメディっぽい演出も多かったが、基本的に無茶苦茶なことを言って勢いで笑わせようとするアメリカンなネタばかり。ただ、麻薬をキメたディカプリオが這いずりまわる演技は必見。あの怪しすぎる動きは見る価値があり、映画史に残してもいいだろう。

ヒルズ族ってやっぱり、こんなイメージなんですかね。



11.1/23 黒執事<映画> 2点

同名マンガを実写にしたもの。水島ヒロのセバスチャンは雰囲気があって、原作原理主義者でなければ、これはこれであり。ただ、相方の原作レイパー・ゴーリキーの演技に問題ありすぎ。セバスと坊ちゃんのやりとりが面白い作品なので、ぶち壊している。あと、漂うVシネ臭がすごく、出てくる悪役が全体的にチンピラっぽくて迫力に欠ける。脚本も、坊っちゃんが先行>ピンチ>セバスが追いつく>残作業を任せて坊っちゃん先行>行った先でピンチ>セバスが追いつく>(以下略)の繰り返し。もうセバスと一緒に動けよ、坊っちゃん。話の筋は全体的にこじんまりとまとまっていて、観客を巻き込む展開の凄みがなく、淡々と終わる。どうせなら、燦然と輝くおバカ映画になっていればよかったのだが。

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10.1/18 ラットマン 4点
2年ぶりに道尾秀介作品に挑戦。さすが、その切れ味は神、いわゆるゴッド。安定してますね。過去と現在の事件を扱いながら、様々に散りばめた伏線が後半に行くに従ってパタパタと組み合わさっていき、読者の想像を裏切る絵が組み合わさる様は見事。はっきりいって、ミステリとしてみればトリックはお粗末、事件もチープ。だけど、作品の真価はそこにない。むしろ、その程度の事件を、ここまでの読み物としてしたてあげた筆者の構成力がすごい。5点じゃない理由は、主人公の行動が「勘違い」から生じている点。あれだけのことをして「勘違い」とは。。。

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9.1/13 雪密室 3点
タイトルそのまま、降り積もった雪に囲まれた離れで殺人事件が起こり、周辺には発見者の足あとしかなかった――雪による密室殺人を扱ったミステリ。いわゆるオーソドックスな推理小説で可もなく不可もなく、トリックも度肝を抜くほどの独創性もない。量産型推理小説という感じ。登場人物が多い割に書き分けが明確ではないので、最初は登場人物の把握が難しかった。

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8.1/12 国家の品格 ?点
以前、売れた本。要約すると「西洋的な拝金主義、効率主義は行き詰まっている。今一度、武士道、もののあわれに代表される日本的な価値観・美意識に目を向けるべきではないか」と主張している。個人的には意見が一致しているので、特に新しい発見がなく、ああ、そうですね、で終わってしまった。日本は凄いと思うよ、うん。

本の内容よりも、どちらかというと、文章の書き方が参考になる。抽象的な事柄の割に、説明が平易で読みやすいのが良い。

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7.1/9 Another 4点
同名アニメの原作。いわゆる「閉鎖した村落に隠された呪い」系の学校版。さすがは新本格ミステリ作家の綾辻行人だけあって、謎の見せ方、情報の出し方、ひねりによるストーリーテリングの旨さは素晴らしく、ぐいぐい話を引っ張る。ただ、絶妙なタイミングでケータイが鳴って話中断の流れが多すぎるのはギャグの域。

話は面白いが、超常現象系ってので、ちょっとガッカリ。結局、超常現象によるルール設定を使うと「なんでもあり」になっちゃうので。最後も超能力で強引に犯人を当てる展開で微妙。ミステリ作家として「実は現実的な話」で「論理的に推理」をして欲しかった。その辺りが5点にならなかった理由。

Another(上) (角川文庫)
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6.1/5 悼む人上/下 2点
名作・永遠の仔を書いた天童荒太の作品で、ずっと読みたかった作品。読んだ感想は。。。なんじゃこりゃ? あとがきによると8年くらい苦しんで書いた、とあり、なるほど、だから微妙なのか、という感じ。3本のストーリーが並行で進むが、関連性が非常に薄く、読者を引き込む魅力に欠ける。特に悼む人の話は、単に人が死んだ現場に赴く>悼むを延々と繰り返すだけなので、単調極まりない。最後のシーンは美しいが、正直、文庫本2冊を読む時間を費やす価値があったとは思えない。

悼む人〈上〉 (文春文庫)
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4.1/1 ゼロ・グラビティ<映画> 3点
監督のサディストっぷりが輝く作品。これでもかこれでもか、と主人公をいじめ続ける粘着質の極めっぷりが良い。脱出ポッドで逃げ出しても火災&水攻めのコンボとか徹底している。ハラハラドキドキで時間を短く感じさせる素晴らしい脚本だが、イベントがたっぷりすぎて、普通のパニック映画と差が感じられなかった。宇宙空間での孤独、みたいな、真に迫る恐怖を感じたかった。

ロシアの失態ヤバイだろ。米中の宇宙ステーション崩壊+メリケン4名死亡って、戦争レベルですやん。。。



3.2013/12/31 ジェノサイド上/下 5点
専門用語が多かったり、硬質な文体だったりと最初は読みにくさが目立つが、ホワイトハウス、日本、アフリカの物語がキーワードでゆるやかにつながり、進展とともに距離を縮めていく見事さに引き込まれていき、気にならなくなる。各グループの関係が明らかになっても、とんでもない冒険行でピンチに継ぐピンチで飽きさせない。これぞ、まさにエンターテイメント。読むべし。ただ、特ア賛美や歴史観が散りばめられていて、そういうのにアレルギーのある人は読まないほうが吉。

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1.2013/12/29 殺人鬼フジコの衝動 4点
白夜行のような、主人公が悪人系の小説。ただ、下劣感が徹底していて、出てくる人間はクソムシな連中ばっかりで、主人公の描写表現はネガティブ用語の連打。とりあえず、そういうのに耐性のある人でないとダメ。ただ、徹底しているせいか謎の疾走感があり、読みやすい文章と相まってすいすい読める。でも、本当に、この小説がゲスいのは、そういうところじゃなくて、最後に出てくる真犯人。善人の皮を被った、真性のクソムシ野郎を考えると背筋がぞくっとする。

「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!何も知らぬ無知なる者を利用する事だ!!自分の利益だけの為に利用する事だ!」

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by netnetnet_78 | 2014-02-01 20:37 | 読書感想 | Comments(4)
2011年 08月 02日

ToLoveる ダークネスがいろいろ突き抜けちゃっていいぞもっとやれ

前に書いたかどうか覚えてないんですが、少年ジャンプに連載されていた「ToLoveる」というラブコメがけっこう好きで、全巻もっていたりします。

シグルイとかヘルシングとかムダヅモとか、そんなんばっか読んでるわけじゃないよ!w

いわゆるエロコメというやつなんですが、さほどドギツくなく、健全なエロといいますか、明るいノリなんですよね。ぼーっと読んでいて「あー楽しいなー」となるのがいいです。

でまー、その「ToLoveる」が少年ジャンプのSQでしたっけ? で復活したんですよね。今、単行本が2冊出ています。

買ってみたんですが、感想は。。。

ちょwwwww

いくら週刊誌のくびきを逃れたとはいえ、これは、なんというか、やりすぎじゃないでしょうかwww

ギリギリをつこうとしているけど、なんか、アウトラインを完全にぶっちぎっているようにしか見えませんwww

原作者と絵師は、きっと戦いを挑んでいます。
そう、世界に対して。。。!

いいぞ、もっとやれ!www

絵師の矢吹さんは、もともと絵がべらぼうにうまい人なのですが、月刊誌になって時間が取れるようになってか、なんかもう、神の領域に達していますね。

いったい、どこまで暴走するんだろうかw
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by netnetnet_78 | 2011-08-02 21:52 | 読書感想 | Comments(4)