> アタシはあきらめない!
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> アタシは誰にも殺されない!!
「七人の武器屋」はラノベである。
大楽 絢太
富士見書房
売り上げランキング: 69208
この本は前から興味があった。
武器屋がテーマというのが、実に興味深い。
店長募集のチラシを見て、集まった7人の
若者たち。彼らが共同経営する形で武器屋が
オープンする。
この7人がなかなか個性派ぞろい。
(女)
・イッコ:情熱の夢追い人。
・ノン:料理が得意な癒し系。
・ミニィ:超絶ブリっこ。
(男)
・ケンジ:少年天才鍛冶屋。
・ドノヴァン:天賦の怪力を持つ大男。
・ジャン:じゃんけん不敗のノリの人。
・マーガス:唯一の無個性という個性をもつ主人公。
7人もメインキャラがいるのだが、それぞれの
役割を明確化し、個性を切り分けているので、
読んでいて混乱することもなく、ムダなキャラもいない。
彼らのユーモアたっぷりなやりとりが非常に面白い。
物語は、店長募集のチラシを見た7人が
集まるところから始まる。このチラシなのだが、
爆発するほど怪しい。> 新規オーナーを募集しています。
> 技術も資格もいりません。まずは店内へ。
> ※18歳以上の方、武器屋での勤務経験のある方、
> 経営に詳しい方のご応募はお断りしています。
変すぎるだろ。経験者お断りって。その面談相手となる現オーナーの老人も、ロコツに
怪しく挙動不審。
もう詐欺臭バクハツである。契約書を読もうとしたら「時間がない」って。。。
ただ、いたって若い連中ばかりなので、
ほぼ何も考えずにサインをしてしまう。
このあたりのかる~いノリが「7人の武器屋」という
作品の全編に貫かれる空気である。
ああ、ラノベ。って感じだ。それがイイんだけどね。
ドタバタと始まった武器屋商売であるが、
まったく客がこない!!!仕入れ値から考えて、それほど安くはないのに。。。
と思って市場調査を始めると、世の中には驚きの
低価格で武器が流通していた。
・品質をぎりぎりまで落とした格安武器屋
・中古販売で伝説の名刀を売る武器屋
・レンタルで伝説のアイテムを貸す武器屋
そら、勝てない。。。
で、マーガスが考えて導き出した結論。
それは、7人のオーナーの個性で勝つこと。
・超絶ブリっこで男の客の心を奪取。
・むくれる女の客には料理上手が作ったクッキーで対処。
・天才鍛冶師が「本物よりもすごい」ニセの伝説の武器を作成。
・値段が高いという客には、じゃんけんか腕相撲で
オーナーに勝てば無料チャンスを与える。
当然、相手はじゃんけん不敗のジャンと、
怪力無双のドノヴァンなので、負けることはない。
これって詐欺じゃ。。。げふんげふん。。。
この必殺のオーナーコンボと、たまたま伝説の勇者が
店を尋ねたおかげで話題になり、武器屋は息を吹き替えす。
このあたりの展開は、冷静に考えるといろいろと穴が
あるようにも思えるが、そんなことは関係ないんだ。
笑いと勢いとノリで一気に読ませる。そのあたりの
センスは作家の天性なんだろうなー。うまく武器屋が開店しだしたころ、前オーナーに
店を貸していた、という男が現れる。彼は契約書を
つきつけ、借金の催促をおこなう。
> 最初の一ヶ月は応援期間価格・月9800ドルクと
> しているが、30日目以降は通常料金の
> 1日/9万8000ドルクに変更。
あー。。。
家賃10倍のうえに、月額から日額!?払えるはずがない金額だが、代わりにレアアイテムの
「ドラゴンのうろこ」をとってきたら、許してやろう、
と言われる。
違法な契約なので、解除してもらうことも可能なのだが、
それは武器屋のオーナー契約も解除ということを意味している。
彼らは愛着を感じ始めた武器屋を守るため、危険な竜の住む
洞窟へと足を向ける。。。
この洞窟で彼らはそれぞれのオリジナル武器を持って戦う。
このあたりのアイディアも個性が出ていて秀逸。
笑ったのがイッコの「ビッグバン・ソード」。
竜も吹き飛ばすほどの威力、通常なら女の腕では
扱えないような長身の武器。そのため、耐久性がなく、
たった2撃で破砕する。。。勢いと適当とカッコよさを求めるイッコらしい武器だ。
あと、ノンが「包丁を飛ばすボウガン」とかいうのも
使っていたな。。。料理好きなので「使い慣れているから」らしい。
いやー、実に自由に発想しているよね。遊んでいるというか。
読んでいると、貨幣価値とかがけっこうテキトーだったり、
わりとその場その場で考えて書いているのかな、という感じ。
しかし、そのあたりの
イイ意味での適当さが、全体的なノリの軽さや、オモシロイ発想とマッチして、
面白い作品に仕上がっている。
これぞラノベ! という感じの、ゆるくて笑える作品。
とてもオススメである。これで2巻購入も決定だな。