2007年 11月 12日

ぼくの職業は某巨大兵器の操縦です

「はじめまして。わたしが担当をさせて
 いただきます。自己紹介をどうぞ」

年齢14歳。男。
職業は巨大兵器の操縦です。

「その若さで大変なお仕事ですね。
 どういういきさつで?」

よくわからないんです。

赤い服の空気の読めない女の人と、
マジメそうなのに金髪でおっかない女の人と、
勝手に呼んでおいて「乗らないなら帰れ」って
逆ギレする父に詰め寄られて、何となく。。。

「場の雰囲気に流されるタイプ?」

はい。昔からそうなんです。こっちは
期待に答えようと頑張っているのに。金髪の人が
「それが彼の処世術」ってバカにするんです。

「同僚に対する尊敬の念に欠ける職場ですね。
 失礼ですが、あまり満足はしていない?」

してませんよ! そんなのっ!
あの人たち、すっごい適当なんです。
なのに、僕には無茶ばかり言うんですよ。

「ほう。例えば?」

さっき無理に操縦させられたって言いましたよね。
それ施設に到着して初日のことなんですよ。

僕、操縦方法とか全然わかんないって言ったんです。
それなのに、聞く耳もたず乗れ乗れ乗れって。
段取りとかそういうの一切ないんです。

「燃えているプロジェクトに投入される
 プログラマのような扱いですね。同情します」

僕が仕方がなく乗ったら、金髪の人が言うんです。
「まず歩くことだけ考えて」って。で、一歩だけ
歩いたんです。そしたら彼女なんて言ったと思います?

動いたわ!

ですよ。僕びっくりしました。兵器が動くなんて
当たり前じゃないですか。それすらできてないのに、
そんなのに僕を乗せるんですよ。頭オカシイです。

「人権無視ですね。話を聞く限り、何の準備も
 できていない。そう聞こえます」

そう! そうなんですよっ! あ、ごめんなさい、
ちょっとツバが飛んじゃいました。

だいたい、あの金髪の人、天才科学者
らしいんですけど、なんか適当なんです。

僕が三番目の敵と戦ったときなんですけど、
そいつ長距離から巨大なライフルで撃たないと
いけない作戦だったんです。

ライフルでコアって弱点を撃つんですけど、
「理論上はこのライフルでいける」とか
「敵の弱点はここと推測される」とか、
あいまいな分析ばかりなんです。

「理論上。推測。不正確な表現ですね」

そのわりに、こっちには「正確にコア一点のみを
確実に打ち抜きなさい」って、すごく難しい
要求をしてくるんです。

「自分の仕事は適当なのに、人に要求するレベルは
 高い。困った上司の典型例ですね」

困った上司といえば、もう一人いるんです。
さっき言った赤い服の人なんですけど。

「空気の読めない人ですね」

はい。2番目の敵と戦ったとき、
僕、言われたとおり頑張ったんです。

目標をセンターに入れてスイッチ。
その通りにして敵を銃撃したんです。

そしたら、弾幕で煙が出て、敵の姿が
見えなくなっちゃったんです。そしたら、
赤い服の人が怒るんです。「あのバカ!」って。

僕、2回目って言っても、実際は
これが初陣みたいなもんでアガってて。
そんな話聞いてないし、応用なんか
できるはずもないし。

「信じられない上司ですね。そういうのは
 前もって教えておかないと」

いつもそうなんです。段取りなんてないんです。
なのに、機転を利かせたら怒られるんですよ。

その敵との戦いで、下がれって言われたんですけど、
とどまって相手を倒したんです。

そしたら、すごい剣幕で怒られて。。。
命令無視だって。

そりゃ確かに命令を無視しましたよ。
そこは悪いですよ。でも少しは誉めてほしいですよ。
適当な指示のなか、僕だって頑張ってるんだから。

「現場で戦う人間を尊重できない感じですね。
 自主性を許さないのなら、せめて指示が的確
 でないと」

その人の指示、どうも状況がつかめてないっぽくて。
「よけて!」って指示を2回受けたんです。

1回目は顔面を敵に押えられて、槍でガンガン
殴られていたとき。2回目は地上に出撃して、
まだ発進エレベーターに固定されているとき。

「え。それって絶対に回避できないんじゃないですか。
 顔を押えられていたり、体を固定されていたり」

そうなんです。かわせるはずがないんですよ。
なのに「よけて!」って。状況把握力ゼロですよ。
その人が指揮官ですよ。信じられないです。

だいたいね。発進する場所の指示もおかしいんです。
3回とも敵の攻撃範囲に僕を出すんですよ。

こっちは操作になれていないし、出撃した直後は
エレベーターに固定されていて動けないんです。

もっと離れた場所に出すべきじゃないですか。
でも、そうしないんです。状況が分かってないですよ。
僕のことが嫌いで、知っててやってるんですかね。

「信じられませんね。指揮官としての
 資質を疑います。ストレスが絶えないでしょう」

前にね、ちょっとグチったんです。
いつも僕ばかり危険な目にあって、みなさんは
安全な場所にいていいですねって。

そしたら、地下にある変な人形の前に連れて行かれて。
ここまで敵が来たら大災害が起こる。それを防ぐために、
敵を倒せなかったら、基地は自爆するって言われて。

そりゃ、みなさんも死ぬ覚悟があるのはわかりましたよ。

でも、ボクが一番怖い目をしてるのは事実なんだから、
ちょっとくらいグチらせてくれてもいいじゃないですか。

「部下のグチを聞くのも上司の仕事のひとつですよね。
 自分も大変なんだよって話しても解決にはならない
 のに、そこに気づいていない」

本当ですよ。
なんか頑張るのがバカバカしくなってきて。
最近、天井を眺めていると憂鬱になるんです。

「ヒドい話ですね。14歳の少年が置かれる
 環境とは思えませんよ。もう少し怒っても
 いいと思いますよ。碇シンジさん」
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by netnetnet_78 | 2007-11-12 21:56 | 雑記


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