2006年 12月 19日

連ドラ感想「僕の歩く道・最終回」

今クール、一番よかったドラマは、
私的には「僕の歩く道」である。

SMAPの草薙剛が、動物園に勤務する
自閉症の青年、輝明(てるあき)を演じるドラマである。
実に、草薙剛の演技が光る。

わたしには自閉症の知り合いはいないが、
「自閉症はこんな感じです」といわれたら、
なんか、そーかもねーという感じの演技である。

・上半身を動かさずに歩く
・視線を動かさず、じっと見つめる
・AはBです。みたいな短いセリフを抑揚なく喋る

だいたいこんな感じか。
これらの演技と、草薙剛の一風変わった風貌もあって、実に
「風変わりな」雰囲気をかもし出している。いい意味でね。

チキンカレー以外のカレーが出ると「カレーはやっぱり
チキンカレー! カレーはやっぱりチキンカレー!」

と何度も連呼したり、ピンチになると、自転車の大会の
歴代優勝者を復唱し始めたりといった癖がある。

そういった、いわゆる奇行もあるのだが、さじ加減がうまく、
決して「イタイやつ」とか「アホなやつ」というようには
表現していない。「微笑ましい」感じにしあげているのが
このドラマの、さわやかさとユーモアの入り混じった
絶妙な味わいとなっている。

ストーリーの骨子は基本に忠実。動物園に勤める人たちと
輝明の心の交流を描く。動物園の人たちには、それぞれ
心の秘密や強い思い込みをもっており、それが輝明との
触れ合いによってほぐれていく感じになっている。

各話ごとのメインストーリーと交差せて、幼なじみの
超絶美人獣医、都古(みやこ)ちゃん

との関係が描かれている。

都古ちゃんは子供のころから輝明の面倒を見ている、
心根の優しい女性である。いつも一緒だった都古ちゃんが
結婚し、彼から離れていくのが物語の中盤の展開となる。

いいドラマなのだが、どうやって終わらせるのか。
それが気になって仕方がなかった。

ドラマを見ていると、輝明は何かを得たり、何かを
なしとげようとしたりしていない。彼は、そこにいて、
そこにいるだけで、誰かを感化させている。

強いていうなら、彼は「与える」役どころである。
ただ、通常、ドラマの最後で主人公は「何かを得る」か
「何かを失い」成長して終わることが多い。

与える役だと、何かを得るのは難しいし、何かを失うと
しても、彼は不必要なものを持っていないため、あまり
幸福なラストを描けなさそうである。

一番、単純なのは「離婚した都古ちゃんと結婚すること」
なのだが、これはこれでムリがある。

なぜなら、現在の日本の状況下で、一般人と発達障害の人が
結婚するのは、残念ながら、まだリアリティに欠けるだろうから。
残酷だが、仕方がない。このドラマは現実味もウリのひとつである以上、
ご都合主義的大団円をするはずがない。

で、どーするんだろーなーと思っていたら。。。
・輝明は障害者たちが自活する「グループホーム」への
 居住を決意する。
・都古ちゃんと永遠の友情をかわす。

という感じ。自活を選択する成長と、都古ちゃんとの友情。
それが最後に彼がたどり着いたものである。

愛情までいくと踏み込みすぎているが、深い友情で
終わるあたりが、確かにラインとしてはいいかもしれない。
というか、ここしかない落としどころ、かな。

あの深い友情は、愛情に変わるかも? という含みを
もたせているので「できれば結婚して欲しい」派も
納得できるんじゃないかな。

派手なユーモアはないが、
ほほえましい人情物語。

それが「僕の歩く道」。きっちりと心を描き、
丹念に磨き上げたいい脚本だったよ。
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by netnetnet_78 | 2006-12-19 23:49 | テレビ番組 | Comments(0)
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