2006年 09月 19日

テレビ感想「『結婚できない男』の恋のお相手は?」

> こういうとき、頭の中で
> 般若心経が流れたりしないか?

面白い本というのは、最後が気になって
読み進めたくなるが、読み終わるのも悲しい
という気持ちになるらしい。

ワタシにとって『結婚できない男』がそれだった。
終わりが気になるが、終わらないでくれ! みたいな。

第一話の完璧なる完成度は、最終話でも色あせなかった。
最後まで『結婚できない男』はその質を守り通した。
ていうか、最終話が最強じゃね?

語ろう。語りたい。いや、語らせてくれ。
やはり、結婚できない男は最高だった。

最終話は、偏屈な建築家・桑野信介(阿部寛)の
恋のお相手が確定するお話である。

現状、候補は以下の二人。
・田村みちる(国仲涼子)
 20半ばのOLで信介の隣人さん。
 前回で信介への愛情に目覚めた。
 
・早坂夏美(夏川結衣)
 30半ばの女医さん。信介とケンカばかりしている。
 みちるとはお友達。

まず、冒頭10分からヤバいんだよ。
計算し尽くされた展開である。

・新聞勧誘員を追っ払うため、隣人のみちるが
 新聞をとっていないことをリークする

もう、いきなりの最悪っぷりwww
この姑息な展開で、桑野信介の陰険さが
視聴者全員の共通項になるわけだw

・「好きです」というみちるの告白を、彼女の飼い犬が
 きゅうりが好きと勘違いする。

ちょうど、信介がみちるの飼い犬にきゅうりを
あげようとしていたためだが。。。

この誤解の展開は、見事の一言。
「好きだよ」を誤解させるのはアイディアとして浮かびやすいんだが、
どう誤解させるかが脚本家の技量でね。。。
実に違和感なく誤解させたのがすばらしい。

・テレビに出ることになった信介の服について、
 夏美がいろいろとアドバイスする。服が決まって一言。

> しかし、なんであなたに指図されなきゃ
> いけないんだ。これで不評だったら、
> あなたのせいですからね。

自分から散々チェックしてもらっておいて、
そこで毒づくかwww ありえんwwwww
この男、マジで救いがないwwwww

この10分間は本当にすばらしい。
結婚できない男の魅力を圧縮しているというか。
無駄なく完璧で、面白い展開にシビれる。

では恋の行方はどうなのか?

結局のところ、今回の話のキモは、桑野に気のない姿勢を
とり続ける夏美に、本当の気持ちを気づかせること。
それをどうやって持っていくかである。

それは、みちるの恋の相談相手となることにより、
微妙な心情を見せる、という形になっている。

このあたりは、夏美の、というか、夏美役の
夏川結衣の寸止めの演技がイイ。

友人の恋の応援をしてあげたいが、何か心に
ひっかかるものがある、といった微妙な感じを
微妙な表情で演じている。

今回の話は、夏美の表情に注目してみるといい。
桑野との距離感に応じて、完璧に使い分けているから。
おそらく、夏川結衣にとって、役者冥利に尽きる話だろう。

みちるの恋の応援をするため、みちるの友人達が
気を利かして、桑野とみちるを彼女の家で二人っきりに
しようとする。そこへ、何も知らない夏美がやってくる。

夏美と桑野はいつものように口喧嘩を始めるのだが、
自分の知らないことで自分を蚊帳の外に置いた喧嘩に
みちるがブチ切れる。

> 「ひとんちで痴話ゲンカしないでください。
>  あたしの家で、あたしがいないみたいに。
>  もう帰ってください! 帰って!」

まー、君の言わんとしていることはわからんでもないが、
この二人はいつもこうだから、気にするな。
プロレスやってると思って、ヲチしとけwww

夏美とみちるは後で仲直りをするのだが、その際に、
みちるに「桑野さんが好きなんでしょ?」と指摘される夏美。
これで、すべてのフラグが立った。

突きつけられた現実。目を背けられない本音。
ようやく夏美は、桑野に本心を打ち明ける。

> わたしたちの会話って、キャッチボールじゃなくて、
> ドッチボールばかりだったような気がします。
>
> 相手に当てて終わり。
> 桑野「うまいこといいますね。」
>
> わたしはアナタとキャッチボールがしてみたいです。
> ボールは投げました。

うまいな。本当にうまい。ため息しか出ないね。
二人の関係を比喩しつつ、かつ、相手を求める
気持ちも表現している。脚本家すげええええ!!

その場では桑野は特に返答しなかったが、
彼らしい解答をする。これもまた、本当に彼らしい。

もともとキャッチボールの話の前に、夏美は桑野に
「明るくてひとがたくさん遊びにくる家を設計して欲しい」
と依頼している。

そのときは皮肉ばかり言ってマトモに取り合おうとは
しなかったが、桑野はおもむろに家の設計を始める。

そして、夏美の診療室を訪れる桑野。
彼女に向かって、率直にこう伝える。

> あなたの住みたい家を設計していました。
> できなかった。できなかった理由がわかりました。
> 自分や自分の大事に想っているひとの家は設計できなかった。

そして、夏美が大切な人であることを告げる。

桑野は「家の設計」というものをとおして、
自分の気持ちを確認していたんだね。

これがねー。。。今回、最大のホームランかもしれない。
桑野という設計の天才が、設計を通して、自分の心を確かめる。
桑野らしい、といえば桑野らしい。

普通に「僕もあなたのこと、好きかもしれません」というより、
この「設計」というプロセスを通すことにより、桑野らしさが
出てくるんだよねー。

> あなたと出会って、話し相手が
> いつもそばにいるのはいいのかなって。
> ようするに、僕はあなたが好きなんじゃないかな。

偏屈で。憎まれ口ばかり叩き。
いつも本心と違ったことばかり言っていた男が。

ようやく、本音を率直に語った瞬間。

このあたりの夏美さんの表情はいいよ!
ようやく想いが通じ合った。
お付き合いを了承する夏美。今こそ、
ハッピーエンドへ突き進め!!!

> 嬉しいな。結果的には結婚できないんですけどね。

( ´゚д゚`)ポカーン




は? となる夏美。てか。。。
視聴者全員、アゴがはずれただろ?www
つーか、私は気を失いかけたwww

桑野曰く、自分が住む家は設計できない。よって、
自分で家が設計できない以上、結婚はしない。

むちゃくちゃな論理である。
しかし、桑野信介なら筋の通る意見である!!!
彼なら何を言っても、とにかくヨシ!!

家なんかどうでもイイ! とブチ切れる夏美。
そうはいかない。僕は完璧主義者だ! と言い返す桑野。

むちゃくちゃwww結局、話はなかったことに。
あー。。。もう、普通に終われよwwww
残り10分ないんだぞ。どう締めるんだよwww

しかし。。。
これこそが、結婚できない男クォリティwwww

二人はその後、夜道で
夕食を買った帰りにばったりと出会う。

ロールキャベツを作ろうとする夏美に向かって、
圧力鍋がうちにありますよ、と言う桑野。

> 夏美「もしかして、うちに来いっていってますか?」
> 桑野「いやまー、あなたがどうしてもというのなら」
> 夏美「どうしてもなんていいません。
> でも、あなたが、どうしてもっていうのなら
> いってもいいです」

それに対する答えは。。。

> 桑野「じゃあ、きてください。どうしても」
> 夏美「はい」

はい、か。いいですよ、じゃなくて、はい。
言葉の感覚がウマイね。ここで、いいですよ、
は尊大な印象になるからねー。はい、が正解か。

二人並んで、桑野の家へと向かうのだが、
その道中で、桑野が相変わらず、ぶつぶつ、と
ロールキャベツの作り方についてうんちくを語る。
君は最後までそれかw

で、ドラマの最後は夏美のこの一言で終わる。

> アナタに言われたくありませんw

それが締めかよwwww
絶対にこのセリフを持ってこようとしたな。
これはたまたまではなく、確信犯である。

この短いセリフに、どれほど、二人の関係が
込められているか。締めにふさわしいセリフだ。

そして、完璧なるドラマ、
結婚できない男は幕を下ろすのでありました。

最終回のタイトルは
『幸せになって悪いか!』である。
ぜひ、幸せになってくれ、桑野&夏美さんw

。。。
いやー、面白かったねー。
もうね、この文章程度じゃ、面白さは10分の1も
伝わらないからさ、見てない人は。。。

レンタルして見ちゃいなYO!!!
それくらいの傑作だからさ。

> 奥にかさばった遠い日の想い
> 今ならさらせるだろう
>
> かなわずも失くすもののない
> あの日おぼえた小さなざわめきも
> ゆらめいて輝きますように日々を泳いだ
>
> もうすぐ君に会いにゆくから
[PR]

by netnetnet_78 | 2006-09-19 23:51 | テレビ番組


<< 自民党の新総裁は安倍氏      PSUをはじめちゃいました >>