2006年 09月 01日

「ネガな主人公は難しい」に関する補足

フェリ助くんの挑戦にお答えしよう。

> ちなみに、ア○ロ君もネガネガ部分があったような・・・
> カミー○君も微妙にネガネガな部分があったような・・・
> つまり、ネガネガな部分を持つ主人公の話は
> 大成功か大失敗なんでしょうかねぇ?
> まぁ、ア○ロ君とかはネガネガじゃなくてひねくれてるだけ?w

コメントでチャッチャと答えようと適当に書いたのだが、
1トピック割いてもいいかな、と思いなおしたので、
今日の日記に格上げでございます。

> 主役がネガで成功したエヴァみたいな作品は稀有な例。
> あれは葛藤をうまく描いたから成功したのだけど関係ないので以下略。

『映画感想「ゲド戦記・宮崎駿の息子」のアレンについて』で
書いた内容だが、この「以下略」の部分を掘り下げるのが今日の話。

まず、ワタシのミスなのだが、「ネガ」な主人公がダメ、
というのはちと表現がよろしくない。厳密には
「無気力」な主人公がダメといったほうが良い。

アレンくんの場合は、この無気力に該当する。
何も行動を起こさず、ただぼんやりして、うだうだと
悩んでいるだけである。

ア○ロやカミー○、シンジくんはちょっと違う。
彼らは少なくとも無気力ではない。(瞬間的に無気力にはなるがねw)
「なんで戦うんだ?」という疑問は持ちつつも、組織人の悲しさか、
親父にもぶたれたことがないのに殴られて
戦争に駆り出される。

ストーリーの骨子として、以下の内容がスパイラルする。
1.戦争で戦うことに悩む
2.上からの命令で仕方なく戦わされる
3.ストレスがたまって、キレる
4.キレて行動を起こすが、いろいろあって戦場に戻る
 >以下、1に戻る

彼らは戦いたくないのに、無理やり戦わされる。
この状態に「葛藤」を感じ、自分の意見を主張して、
周囲に亀裂を作る。その結果、組織を離れるか鬱状態になるが、
状況がそれを許さず、彼は仕方がなく戦場に戻る。。。

ドラマは、ハラハラさせるのが基本なので、
主人公が思うように動けない「葛藤」をどう描くかが重要である。

その緊張が高まり、キレるわけだが、キレるというのは、
「行動」の一種なので、主人公のアクティブさの表現につながる。

で、結局は再び戦場に戻る、ということで、彼はそこで
現実を受け止め「成長」したことになる。

葛藤>行動>成長>葛藤>行動>...
がグルグル回る、すばらしく巧妙なループである。
絶えず緊張感を生み出すよい状況といえる。

これをなさしめているのは、非常に単純で、
ひとつの明快な設定である。

主人公が組織に属していること。

これだけである。この設定が、自分の行動に否定的な
主人公に職務を強制し、葛藤を生み出すのである。
サラリーマンは葛藤の連続だwww

否定的な主人公を作るなら、そういう、
「強制する仕組み」も作って葛藤を引き出す。
ア○ロやカミー○、シンジくんの成功は
そこにあったんじゃないかな?

アレンくんの場合は、ぼんやりと無気力状態なので、
何も行動を起こそうとしない。「親殺し」のトラウマが
ただの設定にしかすぎず、物語とクロスした「葛藤」に
昇華されていないのが問題だったんだろうね。


そんなわけで今日の格言
・自分の行動に否定的な主人公を用意するなら、
 彼に行動を強制させる仕組み(組織)を作ろう
・「葛藤>行動>成長」のループはまことに重畳

以上の内容をもとに、フェリ助くんに回答すると。。。

> つまり、ネガネガな部分を持つ主人公の話は
> 大成功か大失敗なんでしょうかねぇ?

そういうわけでもないが、まー、ネガな主人公というのは、
結構イイ設定なんだよ。自分の行動に疑問を持つ、というのは、
「葛藤」を生み出しやすい状況だからね。


ポジティブな主人公より「葛藤」で悩む姿を描きやすいので、
ドラマとしての深みを追加しやすいのさ。

ただ「行動を起こす」というのが主人公の役割なので、
「自分の行動に疑問を持つ」という主人公は動かしにくい。

その問題をクリアできるかどうかで、武器にも枷にもなるってことかな。
これが、ワタシの「ネガ主人公は難しい」の理由だね。
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by netnetnet_78 | 2006-09-01 22:53 | 雑記 | Comments(2)
Commented by Felis at 2006-09-02 00:32 x
先生!よくわかりました~(´・ω・`)
Commented by オニミキ at 2006-09-02 08:21 x
> フェリ助くん
顔文字を見ると、わかっていないような気がするぞw
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