2014年 02月 12日

終戦のローレライを読んだ。傑作だった。

いやー、読みました、終戦のローレライ。10年前の本を今ごろかっつー感じですが、もうね、間違いなく、疑いようのない★5、満点の評価であります。

終戦のローレライ(1) (講談社文庫)
福井 晴敏
講談社
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4巻分冊で分厚すぎるため、避けていたんですが、もう大後悔ですね。早く読むべきだった。

福井先生の小説って、恐ろしくスロースターターでして、序盤はもうかったるいの一言です。文章は重厚で、そこまで描写するかっていうくらい事細かく書いていてね。話にのめり込んでいないので、ただただ文圧の強さがきつい。

今回も最初の1巻は辛かった。本当に辛かった。ですが、巻き返すのが福井先生です。物語に入り込めば全てが許せます。2巻の100ページ目から、読むのが止まらなかったですね。

ローレライでも福井節は健在。ページをめくる度に胸を焦がし、喉の奥が痛みを覚えました。

>「《伊507》、ローレライ! 艇長で足りなきゃおれの命もくれてやる。絶対に勝ってみせろぉ!」

>「これより《伊507》は一個人の怨念が歪めた歴史を――日本国の未来を修正するために行動を起こします。ローレライは、あなたが望む終戦のためには歌わない」

いやー、熱いなあ、熱い。

実に幸せな読書体験でした。

反響音でしか策敵できないのが潜水艦の常識ですが、タイトルにあるローレライ・システムは最強の千里眼であり、敵の潜水艦はおろか、光の届かない海底すら『視る』ことができます。

圧倒的な情報量は戦線において圧倒的優位の確立を約束しますが、ローレライ・システムには致命的な欠点があり、敵を撃沈するとしばらく使えなくなるんですね。

兵器としては優しすぎる心を持つ、ローレライシステムの致命的な欠点。

その弱点をつくように敵が出てきて、そうそう楽に勝たせてくれず、ドキドキとワクワクを持ってページをめくれます。

もう最期の決戦とか、ほぼ一冊つかって書いているんですけど、米帝の大艦隊40+潜水艦5ですよ。自軍は潜水艦1機と17発の魚雷のみ。

無理すぎだろwww

でも、必死に戦うんですね。

途中でローレライシステムが覚醒したりするんですが、そんな展開でもご都合主義だなんて思いません。もう伊507を全力で応援してくれますからね。どんなチートを使ってでも、とにかく勝て! 勝つんだあああああああ!

と願いならページをめくります。ここまで読者をのせるあたり、さすがは福井晴敏だなあ、と。

福井先生は、出世ルートを外れた実戦経験豊富な中年オヤジと、天才的にキレる(けど、情緒的に不安定な)エリート兵士のコンビってのが多いです。今回は、それに「未熟な少年」ってのが加わっています。

この少年、征人くんがですね、ガンダムUCの、バナージに見えて仕方なかったです。

東京に核を落とし、国家的自決を断行する! なんて叫ぶ輩がいます。その迫力におとなたちはみんな呑まれてしまうのですが、主人公は叫ぶんですね。

>「でも、東京にいる人はみんな死ぬ」

この「でも」。聞こえちゃいましたね、マリーダさんの声が。

「それでもと言え、バナージ!」

それでもは、バナージの専売特許ですね。

読んでいると、他にもキャラの配役がガンダムUCとかぶるなあ、と思いました。順番的にはガンダムUCがローレライにかぶってるんですが。

個人的には、最期のエピローグに主人公の征人くんが出てこないのがちょっと残念でしたが、わりと好きでしたね。その後の50年間を早回しで書いていますが、英雄は英雄として生きたのではなく、ただただ平凡な人生を生きた、という感じが。

結局、この物語は、ひとりのかわいそうな少女に平凡な幸せを与えた話なのでしょうね。そういうのも、いいんじゃないでしょうかね。

とてもおもしろい作品なので、未読の方はぜひお読みください。

個人的には、アニメでみたいですね。絶対に面白いと思う。
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by netnetnet_78 | 2014-02-12 00:38 | 読書感想


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