2013年 02月 02日

レ・ミゼラブルを見てきた

映画館が近所すぎるので、業後にも、ひょいと。ひょいと、行けちゃうわけです。毎月1日は映画の日なわけでして、映画が1000円なのです。「穴の開いた財布を持つ」と異名を持つ、この貧乏人が! この吝嗇家が! この持たざるものが! 逃すわけがあるまい!

というわけで、話題のレ・ミゼラブルを観てきました。なんていうんでしょう? 感動巨編らしく、ネットに良いという感想があふれているわけです。この絶対零度の氷壁、打ち砕けぬグレードウォールと呼ばわれたわたしの心の氷を、きっと暖かな感動の涙が溶かしてくれるでしょう。

わたしの心に、人の優しさを、その息吹を!

。。。で、感想としては。。。
え? これ、微妙じゃないっすかね?w

まず、主人公のジャンバルジャンくんがパンを盗んだ罪+脱獄で懲役19年くらっちゃってまして、ようやく仮釈放になります。そのとき、終生のライバルとなる「警察」くんと会話を交わします。言ってみれば、シャアです。シャア。ただ、この警察くんが、微妙なんですよね。ジャンバルジャンにひとりで重い旗をとってこい、って言って囚人いじめをする小物感炸裂な人です。

もう、この行動がね、最悪すぎます。

というのも、彼は、この後、別人として暮らすジャンバルジャンの身元を暴こうと「正義」を掲げて暗躍するわけです。俺が正義だ、俺が法だ! とカッコいいこと言っているわけですが、中身は囚人いじめをする小物です。ダメだろ、ライバルにこの描写は。。。やはり、ライバルはシャアのように気品があり、威風堂々としていないといけません。ファーストシーンでの小物感炸裂っぷりはダメでしょう。

「見せてもらおうか、連邦軍のMSの性能とやらを!」「当たらなければ、どうということはい!」やはり、これくらいの、強いものであろうと向かっていき、それを凌駕する能力を示す、それこそがライバルではないでしょうか。

で、その後、ジャンバルジャンは仮釈放の罪人という身分を捨て、別人となり、工場の社長として成功を収め、市長となります。
そのとき、ニセのジャンバルジャンが間違って逮捕される、という事件が起こります。

本物のジャンバルジャン的には黙っていればいいわけですが、そこは正直者に生きようと思ったジャンバルジャンくん。なんと、高潔にも「俺が、俺こそが、ジャンバルジャンだああああああああああああ!」と言ってしまうわけですね。まさに、「俺が、ガンダムだ!」のノリです。

感動的なんでしょうね、感動的なんですかね?
でも、わたしは興ざめでしたねえ。。。

ジャンバルジャンは悩むわけです。自分が捕まったら、工場の何百人という従業人は職を失うわけです。それと、その工場で働いていた女性が死ぬので、その子供を引き取ることにしていました。それを踏み越えた上での「俺が! ジャンバルジャンだ!」ですよ。

その後、身分を隠して逃亡するので、工場はつぶれたんだろうなーと思いますし、官憲に追われながら、その子供を引き取りにいくのも大変なんですね。もうちょっと、お前、落ち着けよ、と。だいたい、子供を引き取る理由も意味不明なんですよね。貧しい時代ですから、貧しい身の上の人はごろごろいるわけです。そこでひとりの女の子を、特に理由もなく、ひきとるってどうよ、と思うわけです。なにか大きな理由があればいいわけですが、そういう提示はないわけです。なので、なんで、その少女にそこまでご執心なのかわかりません。

俺が、ジャンバルジャンだ! も、子供を引き取るってのも、なんか適当に、その場のノリでやってねーかと。

だいたい、俺がジャンバルジャンだ、と言う割に捕まるのが嫌で逃亡するってのはどうだよ、と。ちょっと覚悟が足りんのとちゃうかと。「お前、まさか。。。自分が捕まらないと思ってないか?」

そして逃亡生活に入るわけでして、ジャンバルジャンは老い、少女は美しい娘に成長しました。そして、世はフランス革命の機運が高まる時期なわけです。

で、その革命を夢見る青年と、少女がですね、フォーリンラブなわけです。ひと目ですよ、ひと目。しかも雑踏でちょっと目があっただけ。言葉をかわすこともなく。もうなんていうかデスティニーイイイイイイイイイイイイイイイイ! な感じです。

アホかと。バカかと。

いいか。俺はな、世の中に甘いモノなんて存在しないと思っているほど、絶望しちゃって、もしその力があれば指先一本で一秒後にでもこの世を壊しちゃうくらい世界に絶望している腐れた、穢れた魂を持つものだぞ、と。このわたしに、なんだ、それは。バニラにハチミツをぶち撒けて、バレンタインデーのチョコを埋め込んだ、ふざけた甘ったるさのシロモノは。バレンタインデーは滅びてしまえ。

そんな甘々な展開を、このわたしが! この絶望主義者のわたしが! この悲観論者のわたしが!
許容するわけがないだろう!?

そんなわたしの冷めた心をよそに、ふたりのデスティニーは進んでいくわけです。結局、学生たちの革命ごっこは死亡し、その青年以外は皆殺し。青年は超人ジャンバルジャンが気合で助けだしてました。マジすげー。でもさ、あんな血だらだら流している状態で、糞尿だらけの下水管を這ったらさ、破傷風で死ぬよね? ほら、ドリフターズでも言ってたじゃん。信長がさ、矢に糞を塗りたくれって。相手が死ぬって。ダメだこりゃ!

ちなみに、この皆殺しシーンが、この作品を象徴しているな、と思うわけです。

なんかですね。子供がいるわけです。最後の戦争の前に、子供がひとりでバリケードが出て、兵隊の前にとことこと歩いていくわけです。で、バン! と撃たれて死ぬわけです。子供が撃たれてかわいそう、という、なにかしら、そういう描写がしたかったのでしょうか?

仲間たちの静止を無視して、なんで子供がひとりでバリケードを飛び出して歩き出したのか、わからなかったです。

さっきのジャンバルジャンの決断でもそうなのですが、なんだか、みんな衝動的なんですよね。その行動をとった理由がわからないのです。なぜ、そうするのか。その行動に至った動機、その明示がないので、こちらは感情移入ができず、ぽかーんとなるわけです。

最後の最後まで、そうなんですよね。

娘と青年の結婚が決まり、ジャンバルジャンは旅に出ます。自分は罪人で、消えた方がいい、と。青年にだけ別れを告げ、ジャンバルジャンは旅に出ます。いや、ここはいいんですよ。親として、そういう考えもあるでしょう。

で、結婚式ですよ。そのときですね、情報屋がやってきてですね、ジャンバルジャンが修道院にいる、と言います。そこでですよ、彼は娘の手をとって、修道院に行こう! となるわけです。結婚式とか全部放り出してね。

そこがわからないんだなあ。。。と。

どうやら、自分を助けてくれたのはジャンバルジャンだった、というのに感銘を受けて追いかけることにしたような感じでしたが、それじゃ弱いだろ、と。せめて、修道院で病気にかかって死にかけているくらい言ってもよかったんじゃないでしょうかね。それなら、行くだろう、と。でも、その情報はなかったわけです。さっきは、あっさりと旅立ちを見送っていたのに、次のシーンですぐに探しに行くってのはどやねん、と。

ホントは、そこに至るまでに、ただ見送ってよかったのか、とか、そういう葛藤のシーンをいれないといけないと思うんですけどね。なんといいますか、マエフリがないんですよね。だから、すべてが衝動的で、心情的にぽかーんとなるわけです。感動的なシーンだろ、これ!? どや! どや! とまるでシーンを連続性なく切り貼りしているような、ね。

で、娘と青年に看取られ、ジャンバルジャンは天に召されるわけです。

ここで、また、ブチギレですよ。

なんか、よくわからないんですが、ジャンバルジャンの心情風景みたいなのが最後を飾るわけです。それは、フランス革命がなり、死んでいった青年たちが幸せそうに革命の歌を歌っているわけです。

なんで、それがラストなんだよ、と。脳内で革命が成功しても意味ないじゃん。現実、失敗しているわけだし。皆殺しだよ、37564。そんな脳内だけで、天下とったどー! なラストでどうなのよ、と。お前はそれで満足なのかと。いや、そこは100億万光年ゆずってもいいのですが、そもそもですね。。。

ジャンバルジャン、革命に興味なかったじゃん!

興味がない人の、死ぬときの心情風景みたいなのに、それ持ってきたら、ダメだろ、と。ここ、感動するポイントなのでしょうが、わたしは興ざめの極地、「バカな、絶対零度を超えた、だと!?」

という感じでした。

全体的に登場人物の行動が謎すぎる、3つの時代をまたにかけるため、人物の描写が足りず、だれだよ、こいつ、と思っているうちに暴走したり、死んだりするので、終始、おいてきぼりでした。ただ、意味不明な心情描写をのぞけば、映像の作り方とかはけっこう面白いものがあり、そういう点では楽しめるので、別に感動はしなかったですが、普通くらいには楽しめましたかね。
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by netnetnet_78 | 2013-02-02 16:04 | 映画感想


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