2009年 12月 12日

俺の妹がこんなに可愛いわけがないが傑作すぎる件

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

という、狙いすましたようなタイトルのラノベがある。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
伏見 つかさ
アスキーメディアワークス
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あまりにも狙いすましていたので「どうせただの妹萌えだろ? おにーたーん、だーい好き☆だろ?」と敬遠していたのだけど、たまたま読んでみたら、かなり面白い。

というかですね。
ぶっちゃけ、傑作です。

話的にはこうです。

平凡を絵に描いたような高校生の主人公には、不釣り合いな妹がいるんです。勉強もスポーツも万能で、読者モデルまでやっている超がつくスーパー中学生。

リア充街道をばく進する妹と平凡な兄の仲は険悪で、お互いに儀礼的な挨拶をするレベルの間柄でした。

それがひょんなことから、主人公は妹の趣味を知ることになります。

大きいお子さま向けのアニメ!
18禁エロゲーのプレイ!
ちなみに女性向けではなく、男性視点のゲームですwww

ここはわりと早い段階で明かされるんですけど、ガチで展開が秀逸ですね。いや、もうホントに面白くできている。

主人公はそのエロゲーのソフトを見つけるのだけど、持ち主を推理する最初の段階でリア充の妹を容疑者から外すんです。現実世界なら、そりゃそうですよね。

でもね、これはラノベなんです。よって、読者側には妹が持ち主だってのがわかってるんです。このブレがたまらないんですよ。いつ判明するか気になって気になって仕方がないわけです。ページをめくっちゃう。

妹のカミングアウトが強烈なんですよね。いわゆるギャップ萌えってやつなんでしょうか? 完璧なまでにリア充な彼女がエロゲーってwww となるんですよ。

その後、主人公は、妹にヲタ友達を作ってやろうと一肌脱ぐことになるんです。

そこら辺もけっこう面白いです。妹はヲタなんですけど、ベースはリア充なので空気が違うんです。なので、なかなか仲に入っていくことができないんですよね。いろいろと苦労するんですよ。

リア充のなかに入れないヲタってのはありがちですけど、逆の話ってのは、なかなか珍しいですよね。普通、入らないしwwww そのときの疎外感がいい味になってます。

でまー、趣味友達もできて、やっと一息ついたと思ったら、鬼よりも怖いマジメな親父に趣味がバレてしまうんですね。激怒する父を、主人公は妹のために、必死になって説得するんですよ。

でね。でね。でね。

もうね、ここがホンットーにすごいんですよ。
このラノベはここが最高においしいんですよ。

つーかね、わたしはこの展開になったとき、マジムリごめん、と思った。説得なんてね、できるはずがないんですよ。わたしだったら、説得できない。

大きい大人向けのアニメやら18禁エロゲーですよ? 
女子中学生の趣味として、どうやって認めさせるんだよwwww

でも、主人公は気迫で説得しちゃうんですよ。その説得のラインを追いながらね、チェックしてたんですよ。

まだだ、まだ、説得できない。
ここで納得しちゃご都合主義。
いい線まで行ったけど、甘い。

なーんて感じで、少しずつ説得が進むんですよ。でね、最後まで読むとね、あー、これは父親が許すのも仕方がないwwww って思えちゃうわけ。

ここのくだりはね、さらっとやってますけど、マジすごいですよ。ミステリみたいに証拠を突きつけたら終わりじゃないんです。ウソを見破れば終わりじゃないんです。

相手の心に訴えかける話で、そもそも説得できるような内容の話じゃないんだからwww

それを最後まで読むと、あー、ありかもー、と思わせる、この腕力はすごい。このラストの力業は、本当に感心しました。

ゆっくり読むつもりが、あっという間に読み終わってしまいましたね。実にすばらしいです。全体的に面白いなかで、出だしとラストの神がかった展開が特にすごい。

タイトル含めて、上っ面はかなりふざけてますが、構成の無駄のなさ、展開のスピーディさは一品です。サブカルに多少でも知識があるなら読んで間違いはないでしょう。

あとがきで「編集の人と三人で数十回も打ち合わせした」とあります。

だからこそ、ここまで完璧な構成に仕上げられたのでしょうね。普通は何回くらいか知りませんけど、ラノベ業界でひとり勝ちする、メディアワークス編集の底力の一端を垣間見た気がしました。

すげーわ。
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by netnetnet_78 | 2009-12-12 20:55 | 読書感想


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